FAXDMはさまざまなメリットのある宣伝広告の方法ですが、一方的にFAXを送るという手法のためクレームになりやすいなどのデメリットもあります。自社でFAXDMの実施を検討している場合は、どのようなデメリットがあるのかも知っておくことが大切です。そこで本記事では、FAXDMのデメリットと解決方法について解説します。
クレームを100%防ぐことは難しい
FAXDMは宣伝広告の手段の一つですが、FAXDMを送信した内のおおよそ1%は、「FAXの送信を停止してほしい」といった要望があります。FAXの送信を停止して欲しいというようなクレームとまではいかない要望がある一方で、紙代を請求されたり、直接謝罪を要求されたりするようなクレームに発展するケースもあります。
というのも、FAXDMは要望されて送っているのではなく、送信者がリストを作成して勝手に送るというプッシュ型の手法であり、なおかつ受信者の紙やインクを消費してしまうので、迷惑に感じられてクレームになりやすいのです。同じプッシュ型の手法である訪問営業やテレアポなどと比較すると、対応する側の手間やストレスがかからない反面、紙やインクの消費、勝手に送らないでほしいといった点でクレームを受けやすい傾向にあります。
そのため、ハードなクレームでなくても少なからずクレームが発生するものと、考えて実施する必要があるでしょう。FAXDMが初めての場合はクレームについて不安を感じるかもしれませんが、事前に対策を実施しておけばリスクを軽減できるため、それほど不安になる必要はありません。
たとえば、原稿の一部分に送信停止希望欄を設けて、不要な方が簡単に停止できるようにしておいたり、過去にクレームがあった宛先には送信しないように徹底したりするなどが対策です。そのほか、深夜・早朝の時間帯を避ける、リストを定期的に更新して最新の情報を元に送信するなども対策といえます。
伝えられる情報量が少ない
FAXDMは伝えられる情報量が少ないこともデメリットといえるでしょう。FAXDMは受信者側の機器を使用するという性質上、白黒のみの配信となるうえ、基本的には原稿用紙1~2枚までの情報に限定されます。複数枚送信することも可能ですが、枚数が多すぎると受信者側の紙やインクを大量に消費してしまってクレームになりやすいことに加え、目を通してもらいにくくなります。
そのため、カタログやパンフレットなどに記載されているような情報量を伝えたい、見た目重視のカラー原稿を送信したいという場合は不向きです。より多くの情報を伝えたいなら、原稿内にホームページへ誘導する文言やQRコードを記載しておいたり、A4サイズではなく、B4サイズの原稿を使用したりするなどの対策を行いましょう。
リスト数が少ないと反応が得られない可能性が高い
FAXDMの反響率は0.01~0.03%が一般的で、1,000件送付して1~3件の反響を得られるのが平均です。そのため、FAXDMを送る場合は数千件~数万件単位で送信するのが基本でしょう。
ただ、サービスや商品がニッチでターゲットが限定されており、送信先が数百件しかないという場合もあり、その場合は反応がゼロになるケースも少なくありません。とはいえ、ターゲットでない送信先に大量にFAXDMを送ってもコストがかかるだけなので、原稿も魅力を高めたり、リストの精度を上げたりする工夫が必要になります。
そのほか、FAXDMを送信したところに電話営業も行い、複数の宣伝手法を組み合わせるのもおすすめです。反響率がそれほど高くないことを理解し、より効果的なFAXDMになるよう工夫することが大切です。
ハードクレームに発展した場合の対処法
きちんと対策をしていたとしてもFAXDMによるハードなクレームが発生することもあり、その場合の対処法を知っておくことが大切です。
まず、ハードなクレームを受けたら真摯に謝罪することが大切です。FAXDM自体に違法性はないものの、迷惑に感じる方がいるもの事実であり、その場合は言い換えしたり早く電話を切ろうとしたりせずに、誠意が伝わるよう真摯に謝罪することが対処法です。
また、電話を取ったのが自分だったとしても、相手によっては身分が上の方でなければ、話を聞きたくないと主張する方もいるため、その場合は上長に変わるなどして対応しましょう。とにかくハードクレームの場合は相手がどのような気持ちなのかを理解し、真摯に対応することが求められます。
まとめ
FAXDMはプッシュ方式の宣伝手法であり、受信者側の紙やトナーを物理的に消費するという仕組み上、クレームになりやすいことが注意点です。FAXを送信しないでほしいという要望ならよいですが、ハードなクレームになるケースもあるため、対処法を知ったうえで実施するようにしましょう。また、伝えられる情報が限られていることや、反響率がそれほど高くないこともデメリットといえます。FAXDMはメリット・デメリットがあるため、特性を理解したうえで実施することをおすすめします。