営業活動の中で「成果が出ない」と感じている場合、その原因はアプローチの精度にあるかもしれません。そこで注目したいのがリスト営業です。ターゲットを絞ってアプローチするこの手法は、限られた時間で成果を出したい企業に向いています。今回は、リスト営業の基本と成果につながる工夫、効率的に進めるための方法について解説します。
リスト営業とは?見込み客を狙って成果を上げる方法
新規開拓では、無作為に電話をかけたり、相手のニーズを無視した営業をしたりすると、時間と労力だけがかかってしまいます。リスト営業とは、見込み客の情報をまとめた営業リストをもとにアプローチを行う営業手法のことです。
無作為に連絡するよりも、興味を持ちそうな相手を狙って営業をかけること可能なため、無駄が少なく成約までの流れもスムーズになります。たとえば東京都の飲食店、従業員数10人以上の中小企業、新しく開業したクリニックなど、条件を絞ったリストを作れば、相手に響く提案もしやすくなります。
ニーズがありそうな層にだけ営業を行うことで、効率よく成果を出せるのです。リスト営業では、まずどのような属性の相手が自社のサービスに合っているかを考えることが大切です。
地域・業種・規模・課題などをもとにターゲットを明確にし、そのうえでリストを作成または選定していきます。対象が明確になれば、アプローチする際の話し方や資料の内容も自然と最適化されていきます。
営業の成果は、数ではなく質です。大量に連絡して反応が薄いよりも、絞り込んだリストに対して丁寧に営業をかけた方が、はるかに成果につながりやすくなります。営業活動の土台として、リスト営業の考え方を取り入れていくことが重要です。
自分で営業リストを作成する際のポイント
営業リストは、自分で作成することも可能です。ネット検索や企業データベース、SNS、業界団体の会員リストなどを活用すれば、条件に合った企業をピックアップできます。リスト作成にかける時間は必要ですが、自社に最適なターゲットを細かく設定できるのが最大のメリットです。
ただし、リスト作成にはいくつかの注意点もあります。まずは、情報の鮮度が大切です。すでに閉業している会社や担当者が変わっている企業にアプローチしても効果はありません。リストを作成したら、定期的な更新やチェックも必要になります。
また、誰に対して、何を売りたいのかを明確にしておくことも欠かせません。たとえば、士業向けのセミナーを案内するなら、企業の代表者よりも事務所の所長や決裁権のあるパートナー層を狙った方がより成果が出やすくなります。
エクセルやスプレッドシートなどで情報を整理しながら、会社名、住所、電話番号、担当者名、業種、規模などをまとめていきましょう。必要に応じて、過去に接点があった企業や問い合わせ履歴も含めておくと、リストとしての精度がさらに高まります。
手間はかかりますが、自社の商品やサービスに本当に合った相手をリストアップできるという意味では、自作リストは営業効率の改善に直結する方法といえます。
業者に依頼するという選択肢もある
リスト営業を行ううえで、リスト作成から営業までをまとめて代行してくれる業者に依頼するという方法もあります。手間をかけずにスピーディーに営業活動を始めたい場合には、有効な選択肢といえるでしょう。
営業代行業者やFAXDM業者の中には、業種や地域などの条件に応じた営業リストを保有しているところもあり、必要な情報だけを絞って提供してくれることもあります。
また、営業トークや原稿作成のノウハウを持っている業者であれば、アプローチの質そのものを高めるサポートも期待できます。たとえばFAXDM業者の場合、指定した業界の企業に向けて、商品やサービスの案内を一斉に送信することが可能です。
紙で届くぶん視認性が高く、短期間で多数の企業に情報を届けられるため、反響を得やすい手法のひとつとして活用されています。また、送信後の反応状況をもとに、どのリストが成果につながったかを分析してくれる業者もあり、次回の営業活動に活かせる材料を得られることもあります。
もちろん、費用はかかりますが、リスト作成やアプローチに時間を割けない企業にとっては、効率的に営業活動を進めるための大きな助けとなるでしょう。すべてを内製化しようとするのではなく、必要に応じて外部の力を借りる視点も大切です。
まとめ
営業リストを活用することで、やみくもな営業から脱却し、成果につながる活動へとつなげることが可能です。自分でリストを作れば、自社に合った相手に的確にアプローチすることができ、営業の精度が高まります。一方で、リスト作成や営業にかける時間が確保しづらい場合には、営業代行やFAXDMなどを活用するのも効果的な方法です。専門業者に任せれば、リストの選定からアプローチまでをスピーディーに進められ、自社の負担を減らしながら成果を狙えます。リスト営業は、準備と工夫がすべてです。自社の状況や目的に応じて、自作と外部依頼を上手に使い分けることで、営業活動の幅が広がります。