FAXDMを利用するに当たり、極めて重要とされているのがABテストです。DMの反響率にも大きな違いを生む可能性も高く、するしないでは大きな差になることも少なくありません。しかし、ABテストについてはあまり知られていないことも確かです。今回は、ABテストとはどのようなものなのか、さらにFAXDMとABテストの関係性に徹底的に迫ります。
ABテストとは
ABテストとは簡単に説明すると、同一の期間中にデザインおよびレイアウトが一部異なる制作物を2パターン以上用意して同時に運用し、どのパターンの反応率が高いのかを検証するテストのことをいいます。
たとえばキャッチコピーを変更したり、画像等を変更させたりします。もちろん大掛かりなものではなく、少ない部数かつ低コストで検証していくことになります。大々的な広告宣伝等を行う時など、その事前に行われることが多いです。
■ABテストと媒体
FAXDMだけが対象になるわけではありません。新聞の折込チラシなどの紙媒体で行われることもあります。また、最近ではランディングページやホームページなどのWEB関連で行われるABテストも少なくありません。今後はとくにWEBによるABテストが多く実施されると考えられています。
■ABテストの運用例
クリスマスや年末の時期に合わせて実施されることが多いです。折込チラシなどで初日にテストします。チラシ等によって有意差が見られた場合には、翌日以降反響が高かったチラシ等に表現を統一させていきます。WEBに関しても基本的に同じような流れで実施されることになり、チラシよりもより短い間隔で行われます。たとえばセール当日の午前中を利用してテストし、その結果を当日午後にも反映させるわけです。
FAXDMにとってABテストは重要
FAXDMで勝負をかけようとしているのであれば、ABテストは実施するべきです。行ったほうがよりよい結果が出る確率が高いからです。ここではFAXDMにとって、なぜABテストが重要であるかを徹底解説します。
■失敗を防げる
FAXDMを配って会社で問い合わせ等の電話を待っているのに、一切反響なしでは寂しいですよね。時間の無駄になる可能性だってあるわけです。ABテストを実施していれば、よいDM案およびダメなDM案の選別もできるようになります。結果として失敗を防げるわけです。
■反響率の高いDMを配れる
作成したFAXDMを何も試さずに配ってしまうと、散々な結果に終わることも少なくありません。自分たちが納得したとしても、読者にとって役立つDMになっていないこともあるわけです。キャッチコピーや画像、それぞれの配置なカラーなどにこだわったとしても、独りよがりな内容になっていることも少なくありません。
一方でABテストを実施すると、より反応率が高いDMを選べることになります。とくに大きなビジネスを行うような場合には、反応がよいチラシを作成しなければなりません。にもかかわらず、何も考えずにDMを配っていては大コケすることだって考えられるでしょう。まずは複数の試作品を作成し、少量配布してどのDMの食いつきがよいか調べてみるのです。
■短時間で作成できる
すでにコンセプトが固まっているのであれば、FAXDMの作成自体は時間がかかりません。画像の配置を変えたり、文字の大きさを換えたり、キャッチコピーを入れ替えるだけなので、30分もあれば作成できるでしょう。1つのDM案を作るのに数日かかってしまえば、ビジネスチャンスを逃してしまうかもしれません。
しかしFAXDMの場合は、パソコンで簡単に、そして短時間でA案・B案・C案などを作成できます。負担がかかりにくい、という部分もFAXDMとABテストの相性のよさにつながっているのです。
ABテストの目的
顧客に対し行動させる確率が高いDMを作るのが目的です。FAXDMを配布する目的には顧客のブランドや商品に対する認知を高める、などもあります。しかしメインの目的といえば、DMを見た人に行動を起こさせることです。商品を購入してもらったり、サービスを利用してもらったり、問い合わせの連絡をしてもらったりしてもらうことを狙っているはずです。ABテストではさまざまなDM案を実際に配布し、どれだけの人が行動してくるかを確かめられます。
さらにABテストを繰り返し実施することで、最適化し費用対効果の最大化が目指せるわけです。FAXDM自体は、1枚あたり1円から5円程度で利用できます。しかし、数万枚配ったり数十万枚配ったりとなると、それなりのコストになります。反響がなければ、まるまる損したことにもなりかねません。そうならないようにするためにも、ABテストを行うのです。
ABテストの進め方とポイント
では実際にFAXDMのABテストはどのように進めたらいいのでしょうか。注意点などの重要なポイントについても紹介します。
■ABテストの進め方
まずは計画をたてることから始めましょう。FAXDMでどのようなサービスを紹介するのかを決めます。商品を紹介するのか、それとも企業名を売り込みたいのかということです。さらにテスト項目を決定します。メインの写真を変えるのか、キャッチコピーを変えるのかなどを決めてください。
以上が決まったら、いよいよテストを実行します。テストをする時には、テストの規模やテストユーザーの選定も行ってください。検証が終わったらデータを集め改善を行います。状況によっては、テストを2回や3回程度繰り返すのもよいでしょう。
■ABテストのポイント
テスト項目はなるべく一つに絞ってください。多くの項目を検証すると、結局どれがよいのかわからなくなることも多いからです。画像やキャッチコピー、さらに文章の中身やカラーなどをすべて変えると、テスト案も膨大になりコストが高まってしまうのです。画像だけ、キャッチコピーだけなどできるだけテスト案は絞りましょう。
まとめ
FAXDMにとってABテストは重要です。行わないと、まったく反響がないDMができあがってしまうことも少なくありません。ABテスト自体は低コストで行えるうえ、しかも短期間でできるものです。負担感もあまりないので、FAXDMを行う前には必ず行いましょう。