商売をしている人にとって自社製品の売り上げを上げることは重要な課題です。売り上げに悩んでいる会社は、2ステップマーケティングを取り入れてみましょう。購入者の気を引き、売り上げを伸ばすきっかけをつかめます。この記事では2ステップマーケティングについて詳しく解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

2ステップマーケティングって何？

自社製品を知らない顧客に、商品サンプルや無料サービスを提供した上で販売につなげる経営戦略を2ステップマーケティングといいます。スーパーでの試食販売やサブスクリプションサービスのお試し期間体験、塾や動画配信サイトの無料体験をイメージすれば分かりやすいでしょう。中でも近年人気のサブスクリプションサービスでは、2ステップマーケティングが多く取り入れられています。

今までの商品販売は、1ステップマーケティングが主流でした。

1ステップマーケティングとは、顧客が自分の欲しい商品をそのまま購入する方法をさします。直接商品を購入するためダイレクトに売り上げにつながりますが、商品に満足できなかったり世間の評判がよくなかったりすると、たちまち売り上げが落ちてしまいます。売り上げがストレートに反映される分、興味が失われるのも早いのです。

また、特定商取引法が改正された現代では、商品広告に細かな必要事項の記載が必要になりました。特徴がつかみにくい商品や、あいまいな記載の商品を売るのが難しくなったのです。しかし2ステップマーケティングにも、メリットとデメリットがあります。順番に見ていきましょう。

2ステップマーケティングのメリット

まずはメリットからです。

・購入のハードルが下がる

2ステップマーケティングでは、購入前に商品を試すことが可能です。気になっている商品が高額の場合や少ししか興味がなくても、試供品や無料サービスがあることで気軽にチャレンジできるのです。直接商品を見られないサブスクリプションサービスでも、無料体験なら「一度試してみよう」と思えます。また、試供品やお試し期間があれば、商品に興味がない顧客の気を引くことも可能です。

・顧客生涯価値（LTV）が向上する

顧客生涯価値とは顧客がある期間中に企業に与える利益のことです。試供品や無料サービスを試し納得して商品を購入した顧客は、その後のリピート率や定期コースへの加入が高くなります。そのため、1ステップマーケティングよりも会社の売り上げに貢献してくれるのです。

・顧客心理にアプローチする

2ステップマーケティングは顧客が商品に接する機会を増やしてくれます。人間は複数回接したものや人によい印象を持つものです。始めに商品のお試しができる2ステップマーケティングを行うことで、商品に対して好印象を持ってもらえます。また人は自分が持っているものに価値を置くと考えられています。2ステップマーケティングは、顧客が商品に価値を感じ、リピートしてもらうための心理的なアプローチにもつながるのです。

・新商品の販促につながる

2ステップマーケティングは、顧客の反応が分かりやすいです。試供品や無料サービスから商品購入した顧客は、商品を気に入っています。自社製品を気に入ってくれた顧客に対して新商品の提案をすれば、効率的に購入につなげられるでしょう。

2ステップマーケティングのデメリット

次にデメリットを紹介します。

・コストや手間がかかる

2ステップマーケティングには、試供品や無料サービスが必要になります。試供品を用意するコスト、商品を購入してもらうまでの期間がかかってしまうでしょう。商品購入までのコストと手間のバランスが、利益を出すためには重要です。

・不向きな商品もある

極端に価格が低い商品は2ステップマーケティングには向いていません。顧客が迷いなく購入できるからです。また試供品を作るだけでコストもかかってしまいます。

・購入されない場合、すべてが無駄になる

試供品や無料サービスを提供した上で購入に結び付かなければ、手間もコストもすべて無駄になってしまいます。

FAXDMは2ステップマーケティング

FAXDMは、顧客に向けてDMを送り、商品購入につなげる経営戦略です。顧客のリストさえあればすぐに活用でき、時間や手間がかかりません。形に残るため、顧客の目にもとまりやすいでしょう。

そして2ステップマーケティングとFAXDMを組み合わせれば、より高い販売効果が期待できます。送るDMに読者の心をつかむ内容を記載すればよいのです。無料体験の提供を記載すれば、興味がある顧客の気を引けます。試供品を同封するのもよいでしょう。

実際に使用し、気に入った顧客は商品を購入してくれます。商品の購入を促すには、お得な情報を顧客に届ければよいのです。顧客の心を惹きつけるFAXDMのためには商品内容と試供品・無料サービスを記載した心に響く文章、簡潔で分かりやすい情報、顧客の悩みや欲求を解決できるメッセージ、簡単に購入できる申し込み方法などがポイントになります。「無料」「限定」というキーワードで顧客を惹きつけましょう。

2ステップマーケティングに向いていない商材は注意

顧客の心をつかみ販売効果が期待できる2ステップマーケティングですが、中には向いていない商材もあります。

単価が低い商材

商品自体の単価が低い商材は2ステップマーケティングには向いていません。単価が低い商品は、迷うことなく購入できるからです。2ステップにすることで煩わしさを感じるケースもあるでしょう。販売コストや無駄な手間、期間もかかってしまいます。

2ステップマーケティングの仕組みが整っていない

仕組みが整っていなければ、2ステップマーケティングも効果を発揮しません。仮に試供品や無料サービスで顧客が商材に興味を持っても、スムーズに購入できなければ購入しないでしょう。試供品や無料サービスを試してから時間がたてばたつほど、顧客の離脱率は高くなってしまいます。まずは2ステップマーケティングの仕組みを整えましょう。

試す必要がない商材

使いきりの商品や、試す必要がない商材も2ステップマーケティングには向いていません。人は分かりやすく、説明だけで商品のよさがわかればすぐに購入します。

まとめ

2ステップマーケティングは顧客の心理にアプローチし、販売促進につなげる画期的な経営戦略です。顧客の反応が分かるので、新商品の紹介もしやすくなります。顧客の満足度やリピート率の上昇にも役立つでしょう。2ステップマーケティングとFAXDMを組み合わせれば、さらに売り上げが期待できます。2ステップマーケティングを取り入れたい会社は、まずはメリットやデメリットを知ってください。2ステップマーケティングに向いている商品の見極めや、しっかりとした仕組み作りも大切になります。