近年、個人間のコミュニケーションツールはメールやトークアプリが主流となり、FAXは使われなくなったというイメージをもつ方も多いのではないでしょうか。しかし、法人向け営業においては、FAXは依然として重要な役割を果たしています。本記事では、FAX営業とはどのような営業手法なのか解説していきます。
FAX営業とは?3つのメリット
FAX営業は、その名のとおりFAXを利用して営業資料を送付する営業手法です。メールや電話営業と異なり、相手に資料を直接届けられるため、訴求力が高いという特徴があります。具体的には、以下のような特徴が挙げられます。
少ないコストで大量の企業にアプローチできる
FAX営業は、1通あたりの送信コストが比較的安価です。メールやダイレクトメールと比べて、印刷代や切手代がかからないため、少額のコストで大量の企業にアプローチできます。とくに、新規顧客開拓や新商品のPRなど、幅広い層にアプローチしたい場合に効果的な手法です。
たとえば、1通100円程度で送信できるFAXに対して、ダイレクトメールは1通あたり50円~100円程度、メールマーケティングは1通あたり1円~数円程度と比較すると、FAX営業はコストパフォーマンスが高いといえます。
さらに、近年では、FAX配信サービスを利用することで、宛先リストの作成や送信作業を効率化でき、コスト削減に繋げられます。
相手の都合に合わせた情報提供が可能
FAXは、送信したタイミングに関わらず、相手に確実に情報が届きます。そのため、相手の都合に合わせて資料を確認してもらうことができ、営業効率をアップさせられます。
たとえば、テレアポ営業の場合、相手の都合が悪い時間帯に電話をかけてしまうと、話を聞いてもらえない可能性があります。しかし、FAX営業であれば、相手が不在であっても、資料を置いておけるので、後ほど確認してもらうことができます。また、営業担当者が不在であっても、他の担当者に資料が渡る可能性もあります。
紙媒体ならではの訴求力がある
FAXは、文章だけでなく画像や図表なども掲載できます。そのため、商品やサービスをより具体的に訴求でき、メールや電話営業よりも高い効果が期待できます。近年では、スマートフォンやタブレット端末の普及により、情報収集をデジタルでおこなう人が増えています。
しかし、ビジネスシーンにおいては、依然として紙媒体の方が信頼性が高いと感じる人も多いです。FAXは、紙媒体ならではの視覚的な訴求力によって、相手の興味を引きます。また、資料を保存しておくこともできるので、後からじっくりと内容を確認できます。
FAX営業のデメリットと注意点
FAX営業は、少ないコストで大量の企業にアプローチでき、相手の都合に合わせた情報提供が可能で、紙媒体ならではの訴求力があるというメリットがある一方で、いくつかのデメリットと注意点もあります。
開封率が低い
FAXは、メールや電話営業と比べて開封率が低いというデメリットがあります。これは、近年ではメールやWebサイトなどのデジタルツールが主流となり、FAXを見る機会が減っているという理由が考えられます。
コンプライアンスに配慮する必要がある
FAX営業をおこなう際には、個人情報保護法などの法令を遵守する必要があります。また、迷惑FAXにならないよう、送信リストの作成や送信内容に注意する必要があります。
環境負荷が高い
FAXは、紙を使用するため、環境負荷が高いというデメリットがあります。近年では、環境への配慮から、FAXの利用を控える企業も増えています。FAX営業をおこなう際には、環境に配慮した紙を使用したり、必要最低限の資料のみを送付するなど、環境負荷を減らす工夫をすることが重要です。
効率的なFAX営業をおこなうための方法
FAX営業を効率的におこなうためには、以下の点に注意する必要があります。
ターゲティングを絞り込む
闇雲に大量の企業に送信するのではなく、ターゲットとなる企業を絞り込むことが重要です。業種、規模、所在地など、具体的な条件を設定することで、より効果的なアプローチが可能になります。
魅力的な資料を作成する
開封率を高めるためには、魅力的な資料を作成する必要があります。簡潔で分かりやすい文章、目を引く画像や図表などを活用し、相手に興味をもってもらえるような資料を作成しましょう。
送信タイミングを工夫する
送信タイミングも、開封率に影響します。一般的には、平日の午前中や午後の早い時間帯が効果的とされています。また、キャンペーンやイベントなどのタイミングに合わせて送信するのも効果的です。
FAXDM業者を活用する
FAXDM業者を利用することで、効率的にFAX営業をおこなえます。業者によっては、ターゲティングされたリストの作成や、資料の印刷・発送代行などのサービスを提供しています。
まとめ
FAX営業は、少ないコストで大量の企業にアプローチできる、法人営業において有効な手法です。しかし、開封率が低いなどのデメリットもあるため、ターゲティングを絞り込み、魅力的な資料を作成するなど、工夫することが重要です。また、近年では環境への配慮から、FAXの利用を控える企業も増えています。そのため、FAX営業と合わせて、メールやWebサイトなどの他の営業手法も活用していくことをおすすめします。