顧客を増やすために、企業はありとあらゆるアプローチを試みているのではないでしょうか。FAXDMもまた、アプローチのひとつになります。賢く利用できれば、営業の効率や成果も上がり、売上にもよい影響をもたらしてくれます。
そこで今回は、FAXDMを送信するうえで知っておきたい「反応率」について基礎知識を徹底解説します。初心者はもちろんのこと、なかなか反響が出ない方は必見です。
FAXDMの反応率とは?
FAXDMは、FAXを使ってダイレクトメールを送るものです。営業チラシやニュースレターなどが簡単に送信できるので、営業の効率や成果が高まり売上にもよい影響を与えます。また、1通5円以下で送れるのも大きな魅力でしょう。
しかし、ただFAXDMを送信すればよいわけではありません。使い方を間違えると、場合によってはクレームがくる恐れがあります。
ここでは、まず「反応率」について紹介します。
計算式
FAXDMは、次の方法で計算します。
「FAXDMの反応率(%)=レスポンス件数÷DMの発送数×100」
たとえば、500通送信し、100通の反応があった場合、上記の方式で計算すると「100通÷500通×100=20%の反応率」になります。
平均的な反応率
反応率の相場は、0.1%~0.3%といわれています。件数で表すと1000件のDMで1~3件の反応があることになり、反応率が高いほど成功したことになります。FAXDMは1%以上なら成功になるため、そこを目指してビジネスを考えるのが理想的でしょう。
とはいえ、最初から高い反応率を得るのは困難です。もちろん高いに越したことはありませんが、0.1%でも利益が出ればプラスになるので、コツさえ掴めば成功するのはむずかしくありません。
ちなみに、ほかの広告手法の反応率は、チラシが約0.01%~0.3%、メルマガが約0.8%~1.5%となっています。これらと比較するとチラシより高く、メルマガより低くなりますが、FAXDMは低価格で多くの送信ができることから開封率はもっとも高いといえるでしょう。
また、反応率だけでなく、営業成果で判断することも大切です。
反応率はなぜ重要?
なぜFAXDMの重要性が高まっているのでしょうか?もっとも大きな理由は「潜在顧客の獲得」にあります。
FAXDMは直接売上につながるものではありませんが、潜在顧客を増やすには十分な効果が発揮できます。とくに高いデザイン性や文章力、わかりやすいターゲットは、開封率がどんどん上がるといわれています。
こういった潜在顧客の獲得は、売上につながると同時にブランド認知の役割を果たす力もあるため、FAXDMの反応率を知ることは非常に重要だといえるでしょう。
FAXDMの反応率に影響を与える要素
FAXDMの反応率は、主に「送付先のリスト」「送付タイミング」「デザインや内容」から影響を受けやすく、これらを駆使することで顧客の開封率が上がるといわれています。
ここでは、それぞれの特徴について詳しく説明します。
送付先のリスト
FAXDMの反応率は、どこに送信するかも大きく影響してきます。ただ送信するだけでは、興味を持ってもらえないだけでなくコストもかかってしまいます。
そこで、適切な相手に届くようにしっかりターゲットを絞りましょう。たとえば自社の商品を広める場合、どのターゲットに効果があるか徹底的に調査します。業界やエリアを絞ることも大切でしょう。
ここでいう送付先リストとは、年齢・性別・業界・エリアだけではありません。業界なら細かく分類するほど効果的ですし、エリアの規模なども視野に入れてリストの精査を行ってみてください。
送付タイミング
開封率の高いFAXDMですが、送信したからといって、かならずしもすぐに読んでもらえるとは限りません。送信するタイミングによっては、確認できない・読まれない場合もあります。
送信するときは、そのこともしっかり視野に入れておきましょう。わかりやすいのが「送付日時」「頻度」です。忙しい時間帯は避け、読まれやすいタイミングを選んで送るようにしてみてください。
もし反応率が高かった場合、何度も送るのもポイントです。前回と同じ原稿を送るのもよいですが、より効果を高めるなら「あと〇名」「あと〇時間」と催促をかけるとよいでしょう。
デザインや内容
魅力的なデザインや内容は、一瞬で相手を虜にします。また手に取ってもらいやすくなるので、ある程度きちんとした作りにしたほうが効果的です。
ポイントは、シンプルでわかりやすいデザインです。凝った作りがよいといってもFAXDMはカラーが使用できないため、白と黒でいかに伝わる内容にするかが需要になります。間違っても、暗い背景に文字を重ねることだけは避けましょう。グラデーションやシャドウなどの効果もNGです。
写真も掲載できますが、データ量が大きくなりやすいので使用の際は注意してください。またなるべく白黒でもわかりやすいものを、写真が用意できない場合は白黒のイラストにするのもよいでしょう。
ほかにも、文字の大きさや種類もポイントになります。
FAXDMの反応率を高めるためのポイント
FAXDMに影響を与える要素を理解するだけでも効果はありますが、さらに反応率を高めるなら、次のポイントを押さえておきましょう。
ターゲットに合わせた内容にする
明確なターゲットを決定し、ターゲットに合わせた内容で送信します。たとえば、業界・業種・サービスなどです。送信する会社のエリアも決めておきましょう。
ターゲットは、ありとあらゆる条件を絞り込むことで高い反応率が得られます。全員に送ることで不特定多数の人に興味を持ってもらえる効果はありますが、かならずしも反応率が上がるわけではありません。コストだけかかって、無駄にしてしまう可能性もあるでしょう。
それなら、特定のターゲットに絞ったほうが倍の効果になります。ポイントは、相手のイメージを具体的にイメージすることです。
営業担当者に送るのと営業部長に送るのとでは、送信内容も変わってきます。おおまかなターゲットを決めるのもよいですが、細かくイメージ化・アプローチすることで反応率への効果はまったく違ってくるでしょう。
わかりやすく簡潔に伝える(要点や問い合わせの方法について)
送信したFAXDMに興味を持ち、問い合わせ~申込みまでスムーズに進めるための動線づくりも必要不可欠です。ようするに、わかりやすく簡潔に伝える必要があります。
この部分が複雑化していると、どうしても反応率は下がってしまいます。ひと目で顧客にわかってもらえるように、目に入りやすい場所に問い合わせ先情報を載せましょう。申込み方法がわからない方のために、申込み方法の流れを記載するのも大切です。
ユーザーの目を引く見出しをつける
相手は多数のFAXDMを受け取っていると想定し、少しでも自身のDMを見てもらうように工夫しましょう。そのためには、ユーザーの目を引く見出しをつけることが大切です。
魅力的な内容を作成しても、見出しがあっさりしていると見てもらえる確率は下がります。「今すぐ読みたい!」と思わせるためにも、見出しはしっかり作りましょう。
反応率に効果がある見出しは、目的・ターゲットの絞り込みです。たとえば、無料サンプル申込みやセミナー参加申込み、書籍プレゼントの申込みなどが挙げられます。
適切なタイミングで送付する
相するタイミングも逃してはいけません。送付日時・頻度がポイントになると説明しましたが、いまいちピンとこない方もいるでしょう。
おすすめは「月曜」「朝10時頃」です。週明けは届いたDMをチェックしやすく、午前中のほうが反響が出やすいからです。もちろん企業によって定休日や始業時間は違うので、かならず事前に確認しておきましょう。
まとめ
FAXDMの反応率について紹介しました。
DMを送るうえで、反応率はとても重要です。反応率が低いと、営業の効率が下がり売上にも大きく影響してしまうからでしょう。とくに多くの顧客を抱えている企業にとって、FAXDMは欠かせません。
基礎知識を知っておけば、これまで満足のいく反響が得られなくても、倍の反響を獲得できる可能性があります。ひとつでもうまくハマれば、反応率1%を達成するのは決してむずかしくありません。