企業にとって、利益を上げるためには売上を伸ばすことが重要です。しかし、売上を伸ばすためには、さまざまなコストがかかります。その中でも、営業コストは企業にとって大きな負担となる可能性があります。本記事では、営業コストとは何か、その要素と計算方法、削減方法について解説します。
営業コストとは?要素と計算方法
営業コストとは、企業が商品やサービスを販売するために必要な費用のことです。具体的には、広告宣伝費、人件費、交通費、出張費、販売促進費、物流費、営業拠点の家賃や光熱費などが含まれます。営業コストは、多岐にわたりますが、以下に代表的な要素と計算方法を説明します。
人件費
営業活動には、営業担当者や営業支援スタッフなどが必要です。人件費は、給与、賞与、社会保険料、労働保険料などから構成されます。人件費の計算方法は、給与に加えて各種社会保険料や労働保険料を加算し、その合計額を月額や年額で計算します。
外注費(業務委託費)
外部の会社や個人に対して営業関連業務を委託したときの費用です。派遣会社に支払う営業アシスタントの人材派遣料や、コールセンター・営業資料作成業務の業務委託費などが該当します。
外注費を計算するには、外注先に支払った金額の総額を計算します。ただし、消費税が含まれている場合は、支払額から消費税額を差し引いた金額を外注費として計上します。
通信費
営業部門の従業員に携帯端末を支給している場合はその通信費、オフィスの電話の通信費、インターネット接続にかかる費用などが該当します。
消耗品費
事務処理に必要な筆記用具、コピー用紙、複合機のインク・トナー代などが該当します。営業コストの通信費を計算するには、請求書等から通信費を把握し、総額を計算して決算書に反映します。
旅費交通費
得意先や見込客への訪問などで使用したタクシー代、公共交通機関の運賃、飛行機代などを計上します。営業コストの旅費交通費を計算するには、交通機関や宿泊先の領収書等から支払った費用を把握し、総額を計算して決算書に反映します。
広告宣伝費
製品やサービスを広く知ってもらうために、広告宣伝費が必要です。広告宣伝費は、広告代理店への支払いや広告媒体の費用などから構成されます。広告宣伝費の計算方法は、広告費用の明細をまとめたものを月額や年額で計算します。
販売費及び一般管理費
営業活動をおこなうために必要な経費や、一般管理費として必要な費用を含みます。この中には、出張費や交通費、通信費、事務用品費などが含まれます。販売費及び一般管理費の計算方法は、各費目の明細をまとめたものを月額や年額で計算します。
物品費
営業活動で必要な物品や備品の購入費用が含まれます。たとえば、展示会用の備品やサンプル商品などが該当します。物品費の計算方法は、各物品の購入価格を合計し、その合計額を月額や年額で計算します。
これらの要素を合計したものが、営業コストの総額となります。営業コストを把握することで、営業活動の効率化や、利益率の向上などに役立てられるでしょう。
営業コストを削減するには?
営業コストを削減するためには、コスト削減の戦略を策定し、実践することが必要です。以下に、営業コストを削減するための一般的な戦略と実践例をいくつか紹介します。
営業プロセスの見直し
営業プロセスを見直し、無駄な作業を省くことで、営業コストを削減できます。具体的には、営業活動の標準化、顧客情報の共有化、営業ツール・システムの導入などが挙げられます。
コスト削減のためのテクノロジーの活用
クラウドサービスやAIなどのテクノロジーを活用することで、営業コストを削減できます。具体的には、SFA(営業支援システム)の導入、CRM(顧客関係管理システム)の導入、オンライン商談ツールの活用などが挙げられます。
業務委託の活用
営業活動の一部を外部に委託することによって、人件費やその他の経費の削減が期待できます。
具体的には、電話応対や顧客対応をおこなうコールセンター業務、営業に関連する事務作業、そして顧客へのアプローチや商談を代行する営業代行の業務が委託可能です。
これにより、社内リソースをより効率的に活用し、コストを抑えつつ営業力を強化することができます。
FAXDMの活用
従来の紙媒体のDMは、印刷代や郵送料がかかり、コストが高くなります。一方、FAXDMは、印刷代や郵送料が抑えられるだけでなく、開封率も高いというメリットがあります。
近年では、宛先リストの精度を高めたり、配信時間帯を最適化したりするなど、FAXDMの効果を高めるためのさまざまなサービスも提供されています。
営業コスト削減の注意点
営業コスト削減は、企業にとって大きなメリットをもたらす施策ですが、一方で注意すべき点も存在します。安易なコスト削減は、営業力の低下や従業員のモチベーション低下など、逆効果を招く可能性があります。
まず、営業力の低下は、営業コスト削減の最大の懸念事項です。営業コストを削減するあまり顧客への訪問頻度や営業資料の作成などに制限がかかってしまうと、顧客との信頼関係が損なわれ、売上減少に繋がる可能性があります。
営業コスト削減においては、「削減すべきコスト」と「維持すべきコスト」を明確に区別することが重要です。たとえば、広告宣伝費や交通費などは削減しても問題ない場合が多いですが、顧客との接点となる部分や営業担当者のスキルアップのための費用などは、削減することで営業力低下を招く可能性があります。
まとめ
営業コストは、企業にとって大きな負担となる可能性があります。営業コストを削減することで、企業の収益性を向上できます。本記事では、営業コストとは何か、その要素と計算方法、削減方法について解説しました。営業コストを理解し、削減するための具体的な方法を実践することで、企業の利益向上に貢献できます。営業コスト削減は、企業の競争力を強化するために欠かせません。本記事で紹介した方法を参考に、ぜひ今日から営業コスト削減に取り組んでみてください。