従来のFAXDM(ファックス・ダイレクトメール)は紙やインクの消費が多く、待機電力によるエネルギー消費、さらにはCO2排出といった環境負荷が懸念されています。そこで本記事では、ペーパーレス化や電力消費の削減、CO2排出削減の観点から、環境に優しいFAXDMの導入方法について解説します。
ペーパーレス化で資源を節約し、業務の効率を向上させる
FAXDMの大きな課題の一つが、紙やインクの消費です。日本国内のオフィスでは、年間で約1,000万トンの紙が使われており、その一部がFAX送受信に充てられています。紙の生産には膨大な森林資源が必要であるため、FAXDMのデジタル化は環境保護に大きく貢献します。
インターネットFAXを導入すれば、FAXの送受信をデジタルデータで行えるため、紙の使用を大幅に削減可能です。従来のFAXDMでは送信先ごとに紙を印刷していましたが、デジタル化により印刷の手間やコストが削減可能です。
さらに、受信したFAXを電子データとして保存すれば、必要なものだけを印刷できるため、紙の無駄遣いを防げます。加えて、ペーパーレス化は業務の効率化にもつながります。
紙のFAXは管理や保管が煩雑になりがちですが、デジタル化すればデータの検索や共有がスムーズになり、業務の効率が向上するでしょう。また、クラウドストレージと連携すれば、外出先からでもFAXの確認が可能となり、迅速な対応が求められるビジネスシーンにも対応できます。
また、ペーパーレス化を進めることで、企業のSDGs(持続可能な開発目標)への取り組みを強化でき、社会的評価の向上にもつながるでしょう。
待機電力の削減で省エネルギーを実現
従来のFAX機器は、常時電源を入れておく必要があり、その結果として待機電力が消費され続けます。FAX機器1台あたりの年間消費電力量は約200kWhとされ、これは一般的な家庭用冷蔵庫と同程度の電力消費量に相当します。
企業が複数のFAX機器を運用している場合、この電力消費はさらに増大し、CO2排出量の増加にもつながります。しかし、インターネットFAXを導入することで専用のFAX機器が不要になり、待機電力の削減が可能になります。
FAXの送受信はパソコンやスマートフォンで行えるため、オフィス全体の電力消費を抑えつつ、業務の効率化も実現できます。とくに、テレワークが推進される現在、FAX業務をクラウド化することで、社内外どこからでも対応できる柔軟な働き方が可能です。
また、FAX機器の電力削減は企業のコスト削減にも直結します。例えば、1台のFAX機器を運用する際の年間電気代は約1万3,000円ですが、インターネットFAXを活用することで、このコストをゼロにすることも可能です。
加えて、FAX機器のメンテナンスや修理にかかる費用も削減できるため、長期的な視点で見ても経済的なメリットが大きいです。さらに、FAX機器の削減はオフィススペースの有効活用にもつながります。
FAX機器は設置場所を取るため、特に小規模なオフィスではスペースを圧迫する要因となります。しかし、インターネットFAXを導入すれば省スペース化を進められるため、オフィスの効率的なレイアウトが可能です。
CO2排出量の削減と環境保護への貢献
FAX機器の使用によるCO2排出量は見過ごされがちですが、年間で約245kgのCO2が排出されるとされています。これは、自動車が約1,000km走行した際の排出量と同程度に相当します。そのためFAXDMをエコ化することで、企業の環境負荷を大幅に軽減可能です。
また、紙の生産には大量の水資源が必要であり、紙1枚を製造するために約10リットルの水が消費されるといわれています。紙の使用を減らすことは、水資源の節約にもつながります。
とくに水不足が世界的な課題となっている現在、企業が積極的にペーパーレス化を進めることは、持続可能な社会の構築に貢献する重要な取り組みとなるでしょう。さらに、FAX機器を廃止することで、電子廃棄物の削減にもつながります。
使用済みのFAX機器は廃棄処理される際に有害物質を発生させる可能性があります。そこで、企業がFAXのデジタル化を進めることで、環境負荷の低減を図れるでしょう。加えて、企業の環境意識の高さは、顧客や取引先の評価にも影響を与えます。
近年、SDGs(持続可能な開発目標)に基づく経営方針を重視する企業が増えており、環境対策に積極的な企業は社会的評価が高まる傾向にあります。FAXDMのエコ対策は、環境負荷の削減だけでなく、企業価値の向上にも寄与するのです。
まとめ
FAXDMのエコ対策として、ペーパーレス化、待機電力の削減、CO2排出量の低減といった取り組みは、環境保護とビジネスの効率化の両面でメリットをもたらします。とくに、インターネットFAXの導入は、企業のコスト削減、業務改善、さらには環境意識の向上にもつながります。企業が持続可能な社会の実現を目指すうえで、FAXDMのデジタル化は欠かせない施策です。今こそ、環境に配慮したFAXDMの導入を検討し、エコなビジネス環境を整えていきましょう。