企業が行う営業活動には多くの種類があり、その1つとしてFAXDMを用いた営業活動が注目されています。営業活動を行う側にとっては便利な手法ですが、FAXを受け取る側にとっては迷惑に感じられることが多く、問題視される場合があります。議論されることが多いポイントの1つが、FAXDM業者の行為に違法性があるのかどうかです。
営業活動の方法次第で合法か違法かが決まる
外部に情報を拡散するために、企業はさまざまな形で営業活動を実施しています。営業活動と聞くと、迷惑に感じられるものが多く、あまり好ましくない印象を受けることもあるものです。しかし、迷惑に感じる人がいるからといって、直ちに禁止されるわけではないことに注意しなければなりません。適切な方法を用いている営業活動に関しては、一律にやめさせることはできないのです。
ただし、用いる方法によっては違法性を帯びてしまうこともあるため、慎重に営業活動を行うことが求められます。営業活動の方法の1つに、ダイレクトメールを送り付ける方法があります。ダイレクトメールというと、相手の住所に対して書類を発送するものを思い浮かべるものですが、FAXを用いる場合も多いです。このようなFAXDMは、受け取る側が望んでいれば何も問題がありません。
ところが実際は、できればFAXDMを送ってほしくないと考える人もいるため問題になりやすいです。一般の個人がFAXDMを送ることもないわけではないのですが、たいていはFAXDMを専門的に取り扱うFAXDM業者が送っています。FAXDM業者が望んでいない相手に対して送り付ける行為は、違法性を帯びるのではないかが議論の対象となっています。気を付けなければならないのは、FAXDM業者の行為を全面的に取り締まる法律が存在しない点です。
FAXDMが全て禁止されるわけではない
受け取る側が迷惑に感じているのだから、FAXDM業者のやっていることは違法なのではないか、と思っている人も少なくありません。しかし、迷惑だから違法という単純な問題ではないことに注意が必要です。違法性を帯びると判断するためには、きちんと取り締まるための法律が存在していることが前提となります。
ところがFAXDM業者に関しては、法律に基づいて全てが禁止されているわけではないのです。部分的に取り締まるための法律が制定されているため、FAXDM業者が自由にFAXDMを送付してよいわけではありません。
ここで意識するべき点としては、どのような行為が禁止されるのかが挙げられます。合法なのか違法なのかを正確に判断することができなければ、FAXDMを送付してきた業者に対して、送付するのを止めてほしいと主張することもできません。
まず、原則として相手方の許可を得ることが求められます。したがって、FAXDMに関する許可をしていない相手から送付された場合は、違法性を帯びる可能性が高いです。許可が必要なのは個人の場合に限られていることにも注意しなければなりません。法人を相手にFAXDMを送付する場合については、特に許可を得ていなくても違法にならないのです。そのため、FAXDM業者としては相手方が個人なのか法人なのかを確認する必要があります。
関係書類を保管しておくことが必要
個人に対してFAXDMを送る際に、きちんと相手方の許可を得ることが必要になるわけですが、それだけで違法性がなくなるということではありません。口頭で許可を得ただけでは、後になって許可の有無を判断することができなくなります。そのため、許可・承諾を得たことが分かる書類を保管しておかなければならないのです。書類を保管していなければ、FAXDM業者の行為が違法性を帯びる可能性が出てきます。
また、許可・承諾を得ているからといって、どのような内容のFAXDMでも送付してよいことにはなりません。送付するFAXDMの内容にも気を配る必要があるわけです。不適切な内容のFAXDMを送付しているFAXDM業者の場合、許可・承諾という観点から見ると合法であっても、内容に関して違法性があると判断されることもあります。
FAXDMという営業活動は、営業をする側にとって非常に大きなメリットがある方法なので、積極的に続けていきたいと考えるものです。しかしFAXDMを受け取る側にとっては何もメリットがなく、ただ単に迷惑をかけられているだけになってしまうことがあります。FAXDMに関する法律の内容には理解しづらいものも多々あるため、FAXDM業者は法律の内容を熟知しておかなければなりません。適切な形で送付するように心がけていれば、違法性の心配がなくなります。
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FAXDM業者の行う営業活動は、情報を伝えたい相手方にピンポイントで情報を届けられるメリットがあります。その反面、FAXDMを受け取る側には大きな負担が発生することもあるため注意が必要です。正しい方法を用いて、違法性のないFAXDMを送付することが大切です。